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院長日記

2017/12/15

痛み治療と予防の総合的考え方

新聞連載 痛みシリーズ「間違いだらけの痛み対策」
人生で痛みを経験したことのないひとは先ずいないと思います。中でも身近な痛みとしては中高年に多く発症するロコモティブ・シンドローム(運動器症候群)と言われる腰や下肢、膝、首、肩、上肢などの運動器疾患があります。それらの痛みに対する治療と対策が間違っているために、無駄に長引いたり、治らないまま慢性化や悪化しているケースが痛み患者の9割を占めています。しかも、医療機関やリハビリ専門の介護施設などでも痛みの真の意味が解っていないため、痛みを伴いながら、必死で筋トレをして傷を深くしている人が沢山います。そのほとんどの人は次第に悪化して行き、とうとう寝た切りの運命をたどることになるのです。良かれと思って、努力したひとほど、悪化するという全く皮肉な結果になっています。日本中でこういう現象が起きています。それは痛みの本当の意味が分からないために起こっている馬鹿げた現象なのです。本人の苦痛もさることながら、看病する家族の負担や、医療費・介護費の無駄遣いなど個人と国にとって良いことは一つもありません。その痛みに対する共通の間違った考え方とは以下の通りです。
1 痛みが出た原因は筋肉が弱っているのだから、少しは痛みを我慢して運動した方がよいのでは?
2 痛いからと動かさないでいると関節が固まったままになるから、多少の痛みは我慢して、少しずつ動かして可動範囲を拡げないといけないのでは?
3 腰痛や膝の痛みなどで安静にしていると、特に年寄りはそのまま寝た切りになりはしないか?
長く患っている痛みの患者さんは、こういう理由から、痛みを我慢して動かし続けている結果、治らないで無駄に苦しんでいる人が殆どなのです。
さてここで、本テーマである「痛みの意味」を考えて見ましょう。誰しも痛みは不快で辛いものですから、そんなものない方がいいに決まっています。しかし、もし痛みを感じる機能がなければ、死ぬまで異常が分かりません。痛みは生体にとって危険を知らせる信号ですから本来有難い味方なのです。痛みは火災報知器のように大火事に至る前に危険を知らせる役割を担っています。つまり最終的には命を守るために全身に張り巡らされた、知覚神経のネットワークなのです。先天性無痛覚症という病気がありますが、これは生まれつき骨折や怪我などをしても全く痛みを感じない病気です。この病気の人たちは20歳以上生きた人はいないことが分かっています。このように実際、痛みの感覚がなければ、最後は命を守れないということです。つまり、痛みを体からのメッセージとして翻訳すると『ご主人様、その動作や姿勢は傷口を刺激していますから、炎症と痛みが治りまりません。だからやらないで下さい。そして痛みを出さないように暮らしていれば最短期間で治りますよ』と身体が教えてくれているのです。
私が痛むことをしなければ最短時間で治るという原理に気付いたのは、うちの犬のゲンが怪我をしてビッコを引いていた時でした。右の前足がパンパンに腫れていて、その足を完全に持ち上げて3本足で歩いていましたが、治るに従って少しずつ悪い方の足をビッコを引きながら使うようになり、完全に治った時点で普通に歩いていました。この時ビッコの引き具合(体重の掛け具合)の判断基準はどうしているのかと興味を持ち、観察した結果、たどり着いた答えは、悪い方への体重の掛け具合は、その重さで痛みがあるか無いかだと気付いたのです。その原理を治療に応用したところ、いろいろな医療機関で長期間治らなかった、頑固な腰痛や、坐骨神経痛、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、膝の痛み、頚腕症、腱鞘炎などが極めて高い確率で治って行ったのです。長期間治らなかった患者さんに、生活指導はありましたかと聞いてみますと、ほぼ全員が特に指導されていないということでした。つまり多くの医療機関の専門家が治療より、もっと大事な痛みの意味と正しい対処法(生活指導)を指導していないことも問題ですが、さらに、リハビリという形で、急性期の激痛が過ぎて、まだ少しは痛みが残っている段階で、少しずつ動かした方が良いと指導するので、治りがグーンと遅れたり、再び悪化したり慢性化するのです。痛みが残っている段階で運動を始めると再び悪化します。ひどく痛くなると安静にするから軽快し、そこでまた動かすから悪化するという繰り返しは、ちょうどサインカーブのように軽快と悪化を繰り返します。しかも患者さんのほとんどは、安静にしていると筋肉が弱ったり、関節が固まったりするので少しは動かした方が良いと考えます。つまり、治療家と患者の双方で間違っていますから治りにくいのは当然です。その結果、痛みが無駄に長引いたり、悪化したり関節が変形したりして、取り返しのつかない状況に追い込まれることもあります。例えば変形性膝関節症や変形性股関節症が進行すると、人工関節という大手術以外に痛みから解放される方法が無いということにもなりかねません。
ところが人間と違い、自然動物は怪我程度によっては敵に襲われるか、餌を摂れずに餓死する可能性が高いので、最短期間で治す必要があります。早く治すためには狭いところに身を隠し、絶食状態で患部を安静にする必要があるのです。つまり、自然界では痛みという信号を使って、動かせば痛み、安静なら痛まないという極めて単純で分かりやすい方法で正しい対処法に導いているのです。つまり痛み信号は体が発する痛いことはダメ、痛くないことはOKというメッセージととらえ、それを翻訳すると「痛みを誘発または憎悪させるような動作や姿勢をしないでいれば最短期間で治ります」ということになるのです。つまり、痛みが最小または痛みの無い時間帯は治りつつある時間帯と認識すれば安静が実行しやすいと思います。
動物は痛みの意味を本能で判断し、痛いことは決してしないのです。しかし、大脳の発達した人間だけが、本能の正しい判断をゆがめて、不完全な大脳で間違った判断を優先するため、治らないで無駄に苦しんでいるのです。そもそも本能は地球上に単細胞生物が生まれてから40億年の歴史があります。その後の生物進化の過程で長い間、大脳は存在せず、生物たちは本能だけで完璧に生きて来ました。人類として大脳が発達し始めたのはわずか500万年前ですから歴史が非常に浅いのです。ですから大脳が獲得した知識は、本能に比べたらかなり不完全で、度々間違うのは当然です。例えば、本能で子育てする自然動物には、不良犬などの育て損ないはいないし、子離れも時期が来れば完璧に行われます。ヒトの大脳が不完全な証拠に、子育ては下手で、不良少年は沢山いますし、いじめや夫婦喧嘩、犯罪、戦争などが未だに続いているということがあります。このように人間は不完全の出来損ないの集団なのです。鎌倉時代、若き日の道元禅師が日本仏教の最高峰と言われた比叡山の大僧正に尋ねました。仏教の教えでは、あらゆるものに仏性(ぶっしょう)があり、草木国土がことごとく悟っていると教えていますが、なぜ人間だけが迷っているのですか?そして改めて修行しないと悟れないのですか?という根本的な質問をしたところ、大僧正は仏教の根本的本質を答えることが出来ませんでした。それならと道元禅師は当時の宋へ渡り、その疑問に答えられる指導者を探して中国中を訪ね、ついに如浄禅師という本物に出会いました。如浄禅師の教えは、「心塵脱落-しんじんだつらく」すれば悟りだということでした。心の塵とは今でいう知識のことで、人間だけが迷う理由は、人間だけが唯一、大脳が高度に発達した動物だから知識を持つことが出来ました。そのため、知識のメリットで地上に君臨し繁栄しましたが、同時にデメリットとして不安や恐怖、間違いを持ち込みました。つまり大脳があるから、迷いや間違いが生じるのだから、大脳の働きを停止すれば悟りだ!という教えでした。最後の禅僧と言われた澤木興道老師(1880年6月16日 – 1965年12月21日)はそれを「打ち方止め!」と表現しました。その意味は人間の計らいを止めれば即、悟りだという意味です。それを痛みに当てはめると、痛みは危険を知らせる信号ですから、痛みがでたら、「その動作や姿勢はいけませんよ」と大自然の法則通りに解釈すべきなのです。身近な犬や猫を観察すればお分かりでしょうが、動物は本能で正しく判断して一匹の例外もなく痛むことは決してしません。人間だけが痛くても少しは我慢して動かさないと関節が固まったり、筋肉が弱って治らないのではないか、という間違った考え方をする人が9割もいます。つまりすべての動物は解っているのに、万物の霊長たる人間だけが、間違っているという皮肉な現象なのです。

人間だけが間違うようになった原因は大脳が発達し、それが正しい知識ならいいのですが、問題は時々間違った知識を持つことです。その間違った理論が構築された時期の不完全な学問体系があり、それが間違っていればそのまま後世に引き継がれてしまうのです。しかも一旦定着してしまうと覆すのは大変困難です。
間違いだらけの痛み対策に於いて、その原因は、社会にリハビリや運動、筋トレはいいことに違いない、という誤った固定観念が浸透しているからにほかなりません。
皮肉なことに運動器疾患を扱う専門家(整形外科医、理学療法士、接骨師、鍼灸師、マッサージ師、カイロプラクター、整体師など)の多くが、痛みに対する考え方が誤って教育されていますから、運動療法やリハビリと称して、痛みを伴いながらの運動や過剰な運動量を指導し、明らかにその行為のために悪化したり、長引いたりしているケースが少なくないのです。
例えば、某整形外科の膝関節治療の方針をホームページから引用し分析してみましょう。
(ウォーキングは最も安全で手軽な治療法と副題がありました) 
■基本的活動のウォーキング
痛みが軽くなったら運動量を増やす。平坦な道を20〜30分歩くことを目標とします。目標に向かって歩くのではなく、膝の痛みと相談しながら歩くことが大切 歩いていて痛みが出たら、すぐに中止し、翌日は歩く距離を少し短くします。痛みが翌朝回復する程度ならそのまま歩きます。翌朝までに回復しなければ、距離を少し短くします。

※このホームページからは、何としても痛みが出るまで運動するのが正しい、という意図がうかがえますし、そう教育されてきたし、信じているのでしょう。
これら一連の指導は痛み(炎症)がまだ残ったまま歩くことになるので、治りきらない傷口を引っ掻いていることになりますから、炎症が悪化・長期化し、やがて関節が変形するのは必至です。仮に歩きながら治った人がいたとしたら、それは極めて軽症だったからで、もし、その人が発症直後から安静にしていたら、もっと短期間で治ったはずなのです。

一般病院の治療と対策を翻訳すると 
膝の場合、痛みが出るまで歩きましょう ⇒ 再受傷(たとえば靴擦れの傷口が再び悪化)するまで負荷をかけ続けましょう。そして関節内に赤むけ(靴擦れ)が完成し、痛みが出たところで今日のリハビリは終わりです。また明日、再受傷するまで歩きましょうね。そして慢性化・変形・悪化しながら生涯患者であり続けて下さいねと。これを悪魔のささやきと言いますが、ほとんどの患者さんは、その治療方針を信じて悪化の方向へ頑張るのです。治療家は悪意を持ってわざと悪化する指導をしているとは思えません。治療家自身が医学教育の過程で、マインドコントロールされているのだと思います。であればなお治療家も患者さんも余計に哀れなのです。患者さんも、いくつ病院を変えても同じような治療と対策と結果なので、この病気は歳のせいや手遅れなどもあって、こんなもんだと思い込み、諦めているふしがありますが本当にもったいないことです。

都賀治療院の症例
変形性膝関節症の治療歴8年 74歳 女性
4か所の整形外科を順繰りに通院しながら、8年間で72回水を抜きました。医師の指導のままに朝晩2回ずつ歩き続けた女性が痛みのために歩けなくなり、おんぶされて来院しました。初診時、左右膝関節共に変形がひどく、水も多量に溜まっていました。私は初診時の生活指導として、痛みが出る原理を良く説明した上で、痛みの出る動作や姿勢は一切しないようにと、アドバイスしました。もちろん患者さんは高齢だし家族も、安静ばかりでは、寝たきりになりはしないかと心配します。しかし歩きを止めて、痛みを誘発する曲げ伸ばしの訓練や姿勢をしないように生活をしたところ1週間後はっきりと痛みが軽くなってきました。その時患者さんは喜びと同時に心底納得します。そして次第に炎症が治まり、水と痛みが引いて楽に歩けるようになって3年が過ぎております。その間1度も水を抜いていません。患者さんは目からウロコと喜びました。同時に痛みが出始めた8年前に、この痛みの原理を知っていたらいち早く治り、こんなに変形や悪化はしていなかったのではないかと、悔しがってもいました。
膝の水はなぜ溜まるのでしょう?
関節に過度の負荷がかかった場合、関節軟骨が激しく擦られて炎症が発生します。その際、これ以上炎症がひどくならないように 滑液(水)を増量して摩擦による障害から関節を守ろうとする健気な現象なのです。しかし、ほとんどの人は水を抜く度に、少し楽になるので、これでもかこれでもかと歩き続け、悪化させている皮肉な現象です。しかも痛みを我慢して運動を継続できる精神力の持ち主(努力家)ほど悪化させてしまうという皮肉な結果です。こういう場合、実際、横着でチャランポランの性格の人の方が治り易いのです。

治療家たちは皆一様に、安静にしていると筋力が落ちるから、少しは動かさないといけない、あるいは、筋力が落ちないうちになるべく早期に運動を始める方がよい、という考え方のもとに指導しています。また患者さん自身も同じ考え方で、多少痛くても我慢して動かしています。老後に寝たきりや介護に成るかも知れないことが不安で仕方がないのです。
しかし、極めて稀に動かしていい場合があります。動かしている最中は痛みが出ないか、気持ちが良い、あるいは動かした後で痛みが楽になるなどの感覚がある場合は、軽いストレッチなどから、徐々に始めるとよい場合があります。指圧やマッサージ、その他の治療も、気持ちが良いという要素があり、しかも後で楽になるというものであれば、それが適合していると判断します。例えば脳血管障害などの麻痺性疾患で、痛みを伴わない病気においては、早期のリハビリは重要で、安静は反って害になる場合があります。しかし、痛みを伴う運動器疾患での「運動」は大いに問題と弊害があります。
従って、神経麻痺性疾患と運動器の疼痛性疾患は分けて考えるべきです。ナポレオンは「豫の辞書に不可能はない」と言いましたが、私はリハビリの辞書に「安静」という文字がないと言いたいです。運動器疾患のリハビリは「動かしながら治すもの」という誤った固定観念が浸透しています。リハビリ学の第1章に「痛みの役割と安静の意味」という一項目を設けるべきなのです。

治る姿勢や悪化する姿勢、また治る動きと悪化する動きがあり生活指導の最重要事項です。

1)ヒーリングポジション(healing  position)
ヒーリングポジションとは文字通り治る姿勢のことです。
長期間治らないで悩んでいる方達の共通項は、日常生活で痛みを誘発する姿勢や動作を繰り返していることです。痛みを出す姿勢とは、体の内部で痛みの発生原因となっている傷口や炎症部分をこすったり、圧迫したりして刺激をする姿勢のことです。
例えば、頚部や腰部に椎間板ヘルニアが発生したとします。椎間板ヘルニアは、軟骨がひび割れて中味の髄核がとび出し、神経根を圧迫して炎症が発生し、神経の支配領域に痛みやシビレ、マヒなどが発生します。そして姿勢によって髄核が神経根部を圧迫するかしないかで、痛みが発生(悪化)するか、消失(軽快)するかが決まります。そして圧迫が解除される姿勢を維持しておけば、神経根の炎症と腫が引いて、痛みが軽減して行き、やがて治ります。つまり痛みが出ていない時間は治癒機転が働いている時間帯ということなのです。そしてヒーリングポジションは他人に聞いてもわかりません。しかも個々人で異なりますから、自分の体と相談して、一番痛くない姿勢、または、全く痛まない姿勢を見つけそれを維持すること、それがヒーリングポジションです。
(2)ヒーリングモーション(healing motion)
これは痛みや症状を出さずに出来る運動の方向や、あるいはその方向へ動かすと気持ち良くて、症状が楽になる動作をヒーリングモーションといいます。具体的には気持ち良いストレッチ体操や、アイソメトリクス・ストレッチング(関節が動かない筋トレ)などです。これは循環障害に陥って病んでいる組織が、痛まないように動かすことで循環や栄養障害が改善し、老廃物や痛み物質が患部から排除され、最終的には腎臓から尿として排泄されます。この積極的に治癒機転が働き出す動作のことをヒーリングモーションと言います。もちろんやり過ぎてはいけませんが、適量にとどめればかなり有効です。
(3)ダメージポジション (damage position)
これは病状を悪化させる姿勢のことです。
痛みを発生している組織には損傷や炎症、循環障害などがありますが、運動器疾患では物理的にこの部を刺激すると痛みが発生したり、増強したりします。
痛みを誘発したり増強させる姿勢のときは、損傷や炎症部分を刺激して傷口を悪化させているわけで、いわば再受傷をしていることですから、ますます症状が悪化したり長期化して治らない訳です。人間はしばしばこの痛みを誘発する姿勢をわざわざやっています。たとえば腰痛で背筋を真っすぐ伸ばせない人が無理にでも伸ばして姿勢よくしていないと治らないのではないか。あるいはびっこを引くと楽なのに人目を気にして痛みを我慢して、わざと普通に歩こうとしたりなどです。
(4)ダメージモーション(damage motion)
ダメージモーションは痛みを発生させたり、増強させる動作のことです。
わたしたちは安静にしていれば痛まないのに、ある種の動きやその方向によって痛みを感じることがあります。それは、その動作のときに損傷した組織を刺激しているから痛みも出るし、慢性化もして行きます。ところが、動物ではダメージモーションは敵に襲われるなどの、命にかかわるとき以外は決してしないのに、人間だけは治ったかどうか、あるいは少しはよくなったかどうかの試しの動作として、毎日思い付く度にダメージモーションを繰り返していることが多々あります。動物のように本能の判断通りに痛いことはしないということに徹底しておけばよいのに、人間だけは完全な本能より不完全な大脳の判断を優先するから間違ってしまうのです。

ケガにはRICE が有効、しかも特にRとEが大事
RICE(ライス)とは、次のことを意味します。
●Rest レスト=安静、患部を動かさないこと
●Ice アイス=冷却、氷水で冷やすこと
●Compression コンプレッション=圧迫、包帯などで圧迫すること
●Elevation エレベーション=挙上、患部を心臓より高い位置に保持すること

このRICEは、打撲、ネンザ、骨折など、多くの怪我に自分で出来る有効な方法です。RICEをすると、痛みや腫れを軽減出来き治りも早くなります。
気をつけなければならないのは、冷やしすぎや圧迫しすぎで、循環障害を起こさないことです。高度な循環障害はフォルクマンの阻血性拘縮と言って決定的な障害を持ちますので、不安なら安静(R)と挙上(E)だけにしておくことが無難でしょう。
治療中もRICEを実行するとしないでは重症例ほど治りの期間に顕著に差が出ます。骨折などでは1ヶ月以上の差が出ることも珍しくありません。
RICEのやり方
●STEP1“R”Rest(安静)
患部を安静に保つ
ケガをしているときに無理に動かしたり、足首や膝だと体重をかけるようなことをすると、痛みが増したり、悪化することがあります。患部を動かさないようにしましょう。ここで無理をさせると、出血や怪我の度合いが大きくなり、治りが長引きます。
痛まない姿勢で患部を休ませる
●STEP2“I”Ice(冷却)
氷水で冷やす
痛みを軽くし、受傷時の内出血や炎症を抑えるために、患部およびそのまわりを氷で冷やします。最も一般的なのは、ビニール袋のなかに氷を入れて水を少し入れタオルなどで包むと患部にあてるとソフトに冷すので安全です。
氷水をあてていると、ピリピリとした痛みがでてきて、やがて無感覚になります(約15~20分)。そうなったらいったん患部から氷をはずし、再び痛みがでてきたらあてます。 これを24~48時間は続けます。
最近では、RICE用品がいくつか市販されています。握りつぶすと冷えるもの、ゲル状で冷蔵庫で冷やして用いるもの、スプレーのものなど様々あります。これらは上手に用いると便利ですが、欠点は「氷より高価」であることと、ものによっては冷えすぎに注意するということです。
注意!
冷やしすぎると凍傷になるので、決して冷やしすぎないように

●STEP3“C”Compression(圧迫)
圧迫する
出血・腫れをふせぐために圧迫します。STEP2の前に行う場合もあります。氷を患部に固定するときに同時に行ってもよいでしょう。足首のネンザなどで腫れをひどくすると、痛みが強くなり、またそれだけ治るのに時間がかかります。弾性包帯(伸縮包帯)やテーピングなどで患部を、圧迫しながら巻きます。足首のネンザなどでは、パッドを圧迫したい部分の形に切って、患部にあてて、その上から弾性包帯やテーピングで巻く方法も用いられています。
患部にパッドなどをあてて弾性包帯やテープで強く巻き、ときどき指先などをつまんで感覚や皮膚・爪の色をチェック

注意!
圧迫が強すぎると、血流を悪くしたり、神経を圧迫することがあるので、巻く強さを加減しましょう。患部の先が青くなったり、シビレがでたら、いったんゆるめて青みやシビレがとれてから再び圧迫します。RICEをしている間は常に、圧迫している部位から先の手、足の指の色や感覚をチェックします。

●STEP4“E”Elevation(挙上)
患部を持ち上げる
患部を自分の心臓よりもはっきりと高い所に持ち上げます。その際、心臓との落差が大きいほど血圧が下がり効果が高いです。こうすることで内出血を防ぎ、痛みも軽くなります。いすや台、クッション、まくらなど、ミカン箱の上にクッションを置きその上に足を置くとより高く出来ます。睡眠中も安定したもので挙上したままにしましょう。そうすると極めて早く治ります。日中は足の場合は机の上に載せておくとよいでしょう 。手の場合は三角巾で高めに吊っておくか、机の上に台を載せ、その上に載せておくと治りが極めて早いです。特に最初の1~2週間これをやるかやらないかが重要です。

さてここで「安静」について考えて見ましょう。
一般には安静と言えば
① 寝ているか、または座っている状態
② 仕事をしない状態
③ 運動器であれば患部を動かさない
④ 消化器や内臓であれば絶食
⑤ 重症者は面会謝絶
などですが新しい安静の定義を提案します。
4.安静とは痛みを出さない姿勢のこと
安静とは単に動かないでジッとしていることを言うのではなく、痛みを出さない姿勢のことをいいます。その意味は安静イコール動かさないこととは限らないということです。というのも腰椎椎間板ヘルニアなどでうつ伏せや仰向けで、下肢の方へ放散痛が次第に増してくる場合があります。そういう姿勢は神経根の傷口を突出した髄核が圧迫している姿勢ですから、そういう状態で治療したり、安静にしていても治らないばかりか、痛みが増強して次第に悪化してゆきますから、治療中や日常の姿勢なども大切な要因です。 痛いということは、今現在傷口を刺激しているという証明ですから、繰り返し痛みを出していれば炎症が治まらず、痛みが慢性化して行くのです。また自宅で安静のつもりで寝ていてもダメージポジション(痛みを悪化させる姿勢)で寝ていては、痛みが増してくるばかりでなく長期化しますので、あくまでも痛くない姿勢が治る条件です。あるいは安静にしているにも関わらず、痛みがひどくてどうしても治まらない場合は、中でも一番らくな姿勢を捜し出して、それを維持していると、やがて痛みが軽減してきます。次の段階として動かさなければ痛くないようになり、さらに良くなると動かしても痛くないという風にして治っていきます。椎間板ヘルニアの重傷者は入院して硬膜外ブロック注射をしますが、この場合の治っていくための要因として二つあります。ひとつは薬の効果と、もう一つは入院で絶対安静に近い環境が整うことも見逃せません。自宅にいますと、特に主婦などは、最低限トイレや風呂、人によっては炊事、洗濯までやってしまい安静が出来ていないのです。また本人は仕事をしていないから、それを安静だと思い込んでいますが、体の側から見れば安静になっていないケースが多々あります。1日に例え数回でも痛みを誘発すれば、傷口をひっかくのと同じですから治りが遅れるのです。くどいようですが「安静とは痛みを出さない姿勢」のことで、それを「治るまで維持する」ことが完治につながるのです。その期間の長短は症状の重症度によりますが、これらを徹底すれば最短時間で治ります。極論を言えば、たとえ歩いたとしても、歩行の最中とその後も痛みが出なければ、患部の組織は刺激されていないことになり、安静が保たれているということになります。

○ 運動器系の痛みは靴ずれを治す要領で
 運動器系の痛みはどれ程慢性化していようとも、大なり小なり今現在炎症があります。例えば、2年も3年も増悪を繰り返していたり、または次第に悪化していたり、あるいは急性期の痛みほどは痛くないが、その後痛みが平行線の場合などですが、いくら慢性化していても痛むところは必ず炎症があります。この炎症を治めれば痛みは治ります。
 運動器疾患の慢性的な痛みは、損傷や物理的刺激が殆どで、簡単に言えばくり返しそこを刺激することで炎症が起きてセンシティーゼーション(sensitization・知覚過敏)状態となっていますから、そこをこすらない(刺激しない)ようにして一定の期間(炎症が治まる期間)維持すればよいのです。靴づれを治すのに靴をやめて草履か下駄にはき替えて、かかとの赤むけの部分をこすらないようにして、2~3週間経ると新しい皮膚が再生してきて治るのと同じ原理です。また痛みはその部分が傷になっていて、動かした時そこが擦られて発生しますから、痛むか痛まないかで傷を触ったかどうかが分かる訳です。炎症が原因で痛みのある運動器疾患(筋、骨、末梢神経系)は、とにかく痛みを出さないようにして、一定期間生活すれば殆ど治って行くものです。
※センシティーゼーションとは
知覚神経の感受性が亢進して痛みを感じやすくなる現象のことです。私たちは皮膚に切り傷があった場合、正常な皮膚なら痛くないのに、同じ力でその傷口を触ると、とても痛いという経験をお持ちだと思います。これは怪我をした部分の知覚神経が過敏になっているからです。ではなぜ過敏になるかと言えば、繰り返しの受傷による悪化を防ぐための注意喚起と、その部をかばうことで安静にし、早く治そうとするのが目的です。したがって痛みを感じやすくなることは不都合なことではなく、生物にとっていい事なのです。
そこで実際の症例に当てはめて考えると、例えばぎっくり腰では表面には傷がありませんが身体の内部にある腰椎周辺の椎間関節や靭帯、筋肉、神経などの軟部組織が怪我をして
炎症が発生しています。表面には傷が無いので、組織が損傷しているという意識を持てないのです。ですから痛む動作や姿勢、試の動作をついやってしまうのです。
 
通院治療の考え方
通院と待合時間や検査、治療、リハビリなどのどこかで痛みが出れば悪化します。自宅から病院まで移動する際に痛みが出る方、待合の椅子に座っている姿勢が痛む方、X線やMRIの検査中の姿勢や寝返りで強く痛むケースがあります。こういう場合は通院治療でよくなる成分を1として、通院で悪化する成分が2とすると差引-1ですから、通院すればするほど症状は悪化するという皮肉なことになります。また実際にそういう方が沢山います。しかも我慢強く、まじめで、義理堅く、クレームも言わない善良な人。あるいは毎日通えば早く治ると思い込んで頑張る人ほど、そういう結果になっています。そういう場合、当院では急性期が過ぎて痛まずに、通院できるようになるまで往診にするか、または通院治療の間隔を空けます。

重症のぎっくり腰や椎間板ヘルニアの急性期では、治療と自宅で一番痛みの少ない姿勢をひたすら維持し続ければ必ず、良くなります。その際食事も横たわったまま摂る。トイレはし瓶で、風呂は中止しひたすら痛みを出さないで暮らせば最短期間で治ります。痛みのあるところ必ず炎症があり、炎症は安静で必ず消褪して行きます。

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